クリスマスの過ごし方
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パリのクリスマス・イルミネーション
パリのクリスマス・イルミネーション

近代的都市ロッテルダム

冬の一番の楽しみは、クリスマスです。
12月が近づいてくると、街にはクリスマスイルミネーションが輝き、お店のウィンドウも華やかになります。
日本では、12月24日のクリスマスイヴが一番盛り上がりますが、ヨーロッパでは、イエス・キリストの誕生日である25日が主になります。12月は、クリスマス関連の催し物も多いので、寒くて、暗い時期にも関わらず、街には活気が溢れています。


近代的都市ロッテルダム

オランダ・ベルギーでは、イエス・キリストの誕生日の他に『聖ニコラスの命日』を祝います。
(オランダでは12月5日、ベルギーでは12月6日。)
ニコラスについては諸説ありますが、3世紀後半の人物で、司教時代、貧しい人に施しをしたことで庶民から敬愛されていたようです。後に聖人(聖ニコラス)として認められますが、現在では子供や学生、また船の守護神として祀られています。

オランダでは、この日に先立ち、11月下旬になると、シンタクラースがスペインから船に乗ってやってきます。
スペインから来るという設定になったのは、19世紀ごろだそうですが、理由はわかりません。
オランダは16世紀スペインに占領されていましたので、その影響もあるかと思います。そして、ズワルテ・ピット(黒いピットくん)と呼ばれる、黒い顔をしたお供を連れています。
黒い顔をしているのは、昔、ムーア人がスペインを支配していた時の名残ですとか、煙突を降りていく間にススで黒く汚れた、という説があります。

シンタクラースとズワルテ・ピット
シンタクラースとズワルテ・ピット

オランダでは、アムステルダムの中央駅裏手に船が到着します。この様子は、テレビでも放映され、子供たちは、自分の住んでいる街にシンタクラースがやってくるのを心待ちにしています。到着から聖ニコラスの日までの約2週間の間、シンタクラースとズワルテ・ピットは各地を訪れます。街にやってきたシンタクラースは、子ども一人一人と話をします。
「1年間、いい子でいたかな?」
ズワルテ・ピットの持っている、厚い辞書のような本には、その子が一年良い子でいたか、書かれています。
良い子でいたなら、その場でプレゼントをもらうことができます。
悪い子ですと、ズワルテ・ピットに袋詰めにされ、スペインに連れて行かれてしまいます。

聖ニコラスのお祝い前夜に、子供たちは、暖炉にシンタクラースの乗っている白馬用のお水と、ニンジンを用意し、シンタクラースが自分の家にやってくるのを、寝て待ちます。
翌朝起きると、お水が少し減り、ニンジンがなくなっている代わりに、シンタクラースからのプレゼントが置かれているのです。

17世紀オランダ人がアメリカに入植したとき、このオランダ独自のシンタクラースが伝わりました。
それが次第に変化し、イエス・キリストの誕生日にプレゼントをあげるといった現在のお祝いになったそうです。

アーヘンのクリスマスマーケット
アーヘンのクリスマスマーケット

近代的都市ロッテルダム

11月下旬から、ヨーロッパの各地でクリスマスマーケットが開かれます。
大抵、街の中心にある広場で、昼から夜にかけて催されます。
クリスマス飾り、地元の特産品などを売っているだけでなく、スケートリンクや移動遊園地も併設されます。
私のお気に入りのクリスマスマーケットはドイツのアーヘンのものです。ドイツと言っても、ベルギーとオランダの国境に近いところにありますので、アントワープから一時間半ほどのドライブで到着します。

ドイツのクリスマスマーケットではクリスマス飾りの品揃えが豊富です。木製の人形からガラスのオーナメント、ろうそく、電球など目移りするほどあります。多くの家庭では、生のもみの木を使います。
もみの木に飾るために、気に入った飾りを毎年少しずつ集め、年ごとに雰囲気を変えています。
毎年、クリスマスを迎える準備を、家族ぐるみで楽しんでいるようです。
ケルンのクリスマスマーケット
ケルンのクリスマスマーケット

また、グリューワインを飲むことも欠かせません。赤ワインを温めたものに、ハーブで香りをつけたもので、寒い夜には体の芯から温まります。街やその年によってマグカップのデザインが変わりますので、記念に持って帰る人も多いです。
今年は赤と青のブーツ型のマグカップでした。
代金にマグカップ代が含まれており、いらない場合はお金が戻ってきます。

他にも、ソーセージの炭火焼、焼き栗、じゃがいものクリームソースがけなど、素朴だけれど、おいしいものを食べることができます。普段なら、日曜日はお店は休み、平日も夜6時半までの営業といった国で、クリスマスマーケットは夜9時、10時までやっているのですから、クリスマスは格別なのかもしれません。
もみの木のクリスマスツリー(オランダ・ゴーダ市)
もみの木のクリスマスツリー
(オランダ・ゴーダ市)

近代的都市ロッテルダム

クリスマス当日は、家族とゆっくり過ごすことが多いようです。
スーパーやお店は休み、レストランですら休みのところがあります。街はひっそりと静まり返っています。
一方、家の中は賑やかで、ろうそくの明かりの下、家族との食事と会話を楽しみます。
日本と比べると、普段から家族と過ごす時間を大切にしているヨーロッパの人たちなので、家族を中心に、クリスマスツリーを囲む過ごし方をしているのかもしれません。

Profile
Name: 長谷川祐里(はせがわゆり)

大学時代スペイン語を専攻。メキシコに1年間留学する。結婚後は夫の転勤でオランダに2年滞在し、現在はベルギーで主婦業に専念している。

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