Adulutな貴方へ 〜「快適」Music〜
第17回:映画の中の快適Music Part 8
〜暑い真夏の中でのホット一息のお時間にどうぞ!〜

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やっとうっとうしい梅雨が明け、暑い日が続いていますが、皆さんお元気ですか?
我が“サムライブルー”は、イビチャ・オシム(Ivica OSIM)氏に監督に変わり心機一転・新規移転(?)していよいよスタートしました。
長い目で応援して行きたいものです。
さて、イイ音楽と接したいアダルトな皆様にお送りする今月のこのコーナは、オシム監督が生まれ育ったヨーロッパの映画音楽の中から、先月同様、夏にちなんだ映画から心地の良い音楽をお送りしましょう。
ホットな夏の中で冷たいオミズもいいけれどアダルトな音楽に浸って、ホットしたいお時間にチルアウトして下さい。

〜感動的な夏の草原に広がる“ひまわり”からのメッセージ〜

オシム監督の生まれ故郷は、現在のボスニア・ヘルツェゴビナ(Bosnia and Herzegovina)で、1945年に発足した旧ユーゴスラビア社会主義連邦〜1992年ユーゴ連合解体〜1995年にわたって続いたボスニア戦争〜を経て現在にいたっています。
(首都のサラエヴォ[Sarajevo]は、皆さんは1982年冬期オリンピック開催された事で名前と聞かれた方が多いと思いますが、歴史的には、1914年オーストリア皇太子が暗殺されこれをきっかけにオーストリアがセルビアに宣戦布告し第一次世界大戦の勃発の原点となったサラエヴォ事件が有名です。)
オシム氏の家族はこれらの抗争・戦争を逃れて、現在ご家族はオーストリアに住まわれています。
このような戦争を背景とした映画は、大きくは(1)敵と味方に分かれた形で勝利に導いたヒーローやエンターテイメント性の高い映画(2)ドキュメンタリー・タッチや記録的映画、さらに(3)戦争の中でのひとびとの悲哀や葛藤を描いたドラマ映画に分かれると思います。

今回は、いわゆる戦争映画、あるいは戦争を背景にした映画の音楽の中から、映画「ひまわり」とその音楽性をとり上げで進めることにします。
映画「ひまわり」(イタリア原題:I GIRASOLI、英語原題:SUNFLOWER)は、「自転車泥棒」(1948年)、「終着駅」(1953年)、「ふたりの女」(1960)、「昨日・今日・明日」(1963年)、「恋人たちの場所」(1968年)、「悲しみの青春」(1971)・・等々多くの名作を手がけたヴィットリオ・デ・シーカ(Vittorio De Sica :1901年イタリア/フロジノーネ生まれ)監督のソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ主演による1970年の映画作品です。
そして音楽は、ヘンリー・マンシーニが担当し、アカデミー作曲賞にノミネートされました。
この映画は、第2次大戦で夫がロシア戦線に赴いた結果引き裂かれた夫婦の悲劇を描いたメロドラマと一言では決して言えません。この映画の価値は、イタリア映画ですが当時の状況からすると決して良い関係でなかったにもかかわらず初めて外国のカメラが入った作品であり、ロシアがロケ地を含め映画製作に協力したことです。そしてロケ地で協力してくれたロシアの住民を含め、登場人物の皆が戦争がもたらす不幸さを共有し、一人一人の中には憎しみも戦う理由がなかったことをこの作品は訴えています。
そして、ソフィア・ローレンが分かれた夫をさがして訪ねロシアの担当高官に案内されたウクライナの地には見渡す限りの“ひまわり”畑が一面にひろがり、ひまわりの下には雪の中で死んでいったイタリア・ロシア兵たちが無数に眠っているのだと説明される、“ひまわり”と戦争とのギャップが印象的です。
さらに、初めて訪ねた場面やラストの場面で、大地一面に“ひまわり”がひろがるシーンで流れる音楽が、より一層この映画を感動的にしています。
この“ひまわり”のシーンのロケ現場はキエフ南のヘルソン州で、今も7月下旬頃に一面に咲きわたるひまわりを見ることができるそうです。
(なお、このビデオの発売当初は、冷戦もあって外国人はクレムリン周辺80キロ以内しか行けない規則があり、旧ソ連下のウクライナへ観光客が行かないように、ビデオの説明書きにはわざわざ、「ひまわり畑はモスクワのシェレメチェボ国際空港の近く」と書いてあったとのことです。ヘェー!)
(さらについでに、ひまわりの原産地は北米ですが、新大陸発見とともにヨーロッパで当初鑑賞・装飾用であったが、18世紀には栽培用〔主に植物油用〕として市場性が高まり商業レベルでは、特に19世紀初期までにロシアの農民達が大々的に栽培を始めています。また、我が国には、実はロシア〜中国経由で江戸時代に初めて持ち込まれたそうです。ヘェー!)

大分話がソ連始めた(?!?)ので、音楽のお話戻ることにしましょう!

I GIRASOLI

ひまわり デジタル・リマスター版'70伊

(東北新社 TCDL-1002 2005/6/24)

まずはヘンリー・マンシーニさんのアルバムから〜“ひまわり”を含む流麗な作品を聴く〜

ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini:1924年アメリカ/オハイオ州クリーヴランド生まれ。イタリア移民の子のため本名はEnrico Nicola Mancini)はペンシルバニアの ピッツバーグで育ちハイスクール卒業後正式にフルートとピアノの指導を受けベニー・グッドマンの勧めでニューヨークへ移住後、有名なジュリアード音楽院で本格的に音楽を学んでいます。その後マンシーニは第二次大戦に召集され空軍マーチングバンドにも参加していたが作曲作品を認められ、除隊後、憧れのグレン・ミラー楽団にアレンジャー兼ピアニストとして採用されています。
その後の活躍は、“ひまわり”や“シャレード”、“ピンク・パンサー”、“ティファニーで朝食を”の“ムーン・リヴァー”、そしてジャズのスタンダードとしてもでも有名な“酒とバラの日々”・・等、皆さんがよく知っている、あるいはよく聴かれたことのある曲を多く作曲しており、また多くのアルバムが出されています。
では、先ず最初にヘンリー・マンシーニさんに敬意を表して、ご本人が指揮し、イギリスの名門ロイヤル・フィルを母体としたロイヤル・フィルハーモニー・ポップス管弦楽団が演奏しワルターやバーンスタイン等の名プロデューサーのマックルーアがプロデュースしたアルバムからスタート。
クラシックのお好きな方を含めて、ゆったりとした朝やお食事のバックにでもどうぞ。
もちろん、この他にもベスト集・選曲集等含め沢山のアルバムがありますので皆さんもCDショップやインターネットでお好きなものを探してみるものOKです。
またヘンリー・マンシーニの娘さんは歌手で、このコーナの昨年の5月号〔第14回:映画の中の快適Music Part 5〜ディズニー映画からの快適Musicへご招待〜〕の中でご紹介していますので、ご興味ある方はそちらの方もどうぞ。 

Premier Pops/Henry Mancini

ヘンリー・マンシーニ自作自演 with RPO POPSヘンリー・マンシーニ

ジャンル:イージーリスニング or サウンドトラック or 映画音楽
(コロムビアミュージックエンタテインメント COCO-70508 2003/3/26)

1. ポップス序曲 10. シャレード
2. 「ソーン・バード組曲」〜メインテーマ 11. ガラスの動物園(トムのテーマ)
3. 「ソーン・バード組曲」〜ヴァチカンへの到着 12. ガラスの動物園(ローラのテーマ)
4. 「ソーン・バード組曲」〜マギーのテーマ 13. TVテーマ・メドレー:
ホテル
  〜ボブ・ニューハート・ショーのテーマ
  〜レミントン・スティール
5. 「ソーン・バード組曲」〜シアリング・ユア・ヒアリング 14. サン・オブ・イタリー
6. スクリーン・テーマ・メドレー:
  〜鏡の生活 「ザッツ・ライフ」
  〜「ビクター・ビクトリア」
  〜クレージー・ワールド
  〜「テン」のテーマ・ソング
15. オハイオ・リヴァー・ボート
7. ピンク・パンサー4のテーマ 16. グレート・マウス・ディテクティヴ
8. ひまわり 17. 「ティファニーで朝食を」〜ムーン・リヴァー
9. クルーゾー警部のテーマ

では、“ひまわり”が入っているアルバムから“独選”して順にドンドンご紹介してゆきましょう!

 まずは美しいピアノの調べその(1)〜今ウレッコの岸ミツアキさんの心温まる演奏を〜
岸ミツアキ(1961年和歌山県生まれ)さんは、NHKラジオ「ときめきジャズ喫茶」のテーマ曲を担当する等多方面で活躍している若手(?)の関西出身のジャズ・ピニストで、リーダ・アルバムのうちうち3枚が『スイングジャーナル雑選定ゴールドディスク』を獲得しています。
彼がジャズ以外で名を知られる様になったのは、2003年秋に国際交流基金の要請により、ロシア各地で親善公演を行なった事です。これは小泉首相とプーチン大統領の「カナナスキス・サミット」での日露首脳会談の折に合意された、ロシア全土で日本の伝統や文化を紹介するというプロジェクトの一貫で企画されました。
多様な日本文化の一面を伝えるという主旨でジャズ・ピアニストの岸ミツアキに白羽の矢が立ったわけです。演奏は大成功で2004年と2005年にアンコール公演も実現しました。
(ちなみに、岸さんは某企業〔??]協賛のコンコード・ジャズ・フェスティバルのレポータを担当しています。
また、関西出身の実力派のジャズ・ピアニストとなると私と名前が同じ、“小曽根真”さんがいますので、勿論、以降のこのコーナでご紹介させていただきます。宣誓???)

では、しゃれたカフェでチルアウトしている雰囲気で、岸ミツアキさんのリリカルで歌心ある演奏をどうぞお聴き下さい。

The Magical Jazz Cafe/岸ミツアキ

マジカル・ジャズ・カフェ
岸ミツアキ

ジャンル:ジャズ (日本人/ピアノ)
(カメラータ・トウキョウ CMSB-28001 2004/8/20)
(2004年6月録音)

1. ザ・マジカル・ジャズ・カフェ 7. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
2. いつかどこかで 8. ホワット・アム・アイ・ヒア・フォー?
3. アイム・スルー・ウィズ・ラヴ 9. アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
4. スマイル 10. ブルース・フォー・ステファニー
5. 黒い瞳の 11. ア・タッチ・オブ・メランコリー
6. ひまわり

 次も美しいピアノの調べ(2)〜安井さち子さんの華麗でリズミカルな演奏を〜
安井さち子さん(富山県生まれ、奈良県育ち)さんは、4歳からクラシックピアノを学び、大学卒業後、 1996年にコーナで何回もご紹介しているバークリー音楽大学に特待生で留学(入学テストで必須科目をパス、3年生レベルからスタート!!)その後、ここで今回ご紹介するデビュー・アルバムは新人ながらスィングジャーナル誌(2005年5月号)の中で月間売り上げジャズ部門で3位を獲得という御方です。

では、ラテン・ジャズ、ボサ・ノヴァをベースにした安井さんの華麗でリズミカルな演奏を、anytime, anywhere OK!

Touch of Fortune/安井さち子

タッチ・オブ・フォーチュン
安井さち子

ジャンル:ジャズ(日本人/ピアノ)
(エムアンドアイカンパニー MYCJ-30319 2005/2/16)
(2004年12月録音)

1. サンドストーム 7. ムーヴ・オーヴァー
2. シー・ジャーニー 8. ひまわり
3. アス・スリー 9. リカルド・ボサノヴァ
4. オン・グリーン・ドルフィン・ストリート 10. マイ・フェイバリット・シングス
5. ドゥ・イット・ユアセルフ 11. フォー・ユア・ハピネス
6. スノー・ライト

 次にクールな演奏の出番〜ジョー・ロックのヴァイブラフォンの演奏でチルアウト〜
昨年の第6回(’05/9月号)でご紹介したことのある現在ニューヨークを中心に活躍中のヴァイブラフォン奏者のジョー・ロック(Joe Locke:1959年カリフォルニア生まれ/NY州ロチェスター育ち)が1999年6月に死去したヘンリー・マンシーニへのトリビュートアルバムです。
ヴァイブラフォンの持つクールな音や響きは、何故か暑い夏の夜のチルアルト的音楽として感じるのは、私だけでしょうか?
夜の静寂を感じながらどうぞ。

Tribute To Henry Mancini/Joe Locke

オードリーが愛した調べ〜ヘンリー・マンシーニに捧ぐ
ジョー・ロック

ジャンル:ジャズ (ヴァイブラフォン)
(ビデオアーツ・ミュージック VACY-3004 1998/10/21)
(1995年録音)

1. 酒とバラの日々 7. スロウ・ホット・ウィンド
2. その日その時 8. シャレード
3. ひまわり 9. 暗くなるまで待って
4. ムーン・リヴァー(ティファニーで朝食をより) 10. ドリームスヴィル(ピーター・ガンより)
5. いつも二人で

 では最後に例によって番外編〜といっても美しすぎる宮本文昭さんのオーボエの演奏を聞きながらオヤスミナサイ〜
宮本文昭さん(1949年東京生まれ )は18才でドイツに留学〜1971年北西ドイツ国立音楽大学を首席で卒業〜フランクフルト放送交響楽団やケルン放送交響楽団の首席オーボエ奏者等を歴任後、2000年より活動拠点を日本に移し、日本人のオーボエ奏者として小澤征爾オペラ塾の主要メンバーやJTホールのプランナーやNHK連続テレビ小説『あすか』のテーマ曲を担当する等多方面で活躍中であり、現在、東京音楽大学教授を担当されています。
では、宮本文昭のヒーリング色の濃いアルバムから編集した曲を聞きながらオヤスミナサイ。
なお、宮本文昭さんは2007年3月末をもってオーボエ奏者としての演奏活動にピリオドを打つため、今年度はファイナルコンサートイヤーとなります。
これで目が覚めた方もイルカモ。

Healing Best of Fumiaki Miyamoto/宮本文昭

ヒーリング・ベスト
宮本文昭

ジャンル:ヒーリング
(ソニー・ミュージックレコーズ SICC-10020 2003/12/17)
(2003年編集)

1. 蒼の薫り 8. ラマン・愛人
2. バラの魔法 9. ロシアン・ハウス
3. 風と少年とタマゴ 10. おもいでの夏
4. 夏の少女 11. ヴォカリーズ
5. トロカデロのムッシュ・ブルー 12. ミスティ・ブリーズ
6. めぐり逢えたら 13. メディテイション
7. ひまわり 14. コパキラ

今回は、映画“ひまわり”をオカズにして何枚かのアルバムをご紹介しました。皆さんいかかでしたか?
8月15日は、日本の終戦記念日ですが、映画や音楽は我々に色々な事を教えてくれますネ。(オット!最後にすごい展開になったぞ!!)
でも、私はひたすら皆さんにGoodで心地良い音楽をご紹介するだけですのでご安心の程を。 

 では次回は、ヨーロッパから海を越えてサイレント映画の王様といわれたチャールズ・チャップリンの
映画音楽をサケのつまみにして“快適”音楽の旅を続けることにします。
リクエストやご意見もどうぞ。では、また!!

Profile
Name:原田 真(はらだまこと)

大手IT関係会社勤務、環境コンサルタントとしてISOマネージメントを部長として指揮、プライベートでは原田文庫と呼ばれるほどの蔵書を有し、「わからないことは原田に聞け」と呼ばれる博識。音楽にも造詣が深く趣味のギターはプロ顔負けのジェントルマン

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